2020 年 76 巻 7 号 p. III_77-III_84
余剰汚泥に前加熱処理(150℃,1時間)を施した下水汚泥の高温嫌気性消化において,粉末活性炭の添加と塩化鉄による汚泥調質を適用した消化汚泥の活性化と脱色について検討した.流入全固形物質(TS)約7.5%,温度55℃,水理学的滞留時間20日の条件下,流入TSに対し約2%の活性炭を添加すると,有機物分解率とガス発生率はわずかしか改善されなかったものの,平均して消化汚泥中のプロピオン酸が96%,ろ液色度が29%減少した.よって,活性炭は中間代謝物質の微生物代謝促進に極めて有効であった.また,塩化鉄に両性ポリマーを組み合わせた消化汚泥の調質は,Fe添加率6~10%TSで脱水性を保ちながら,色度を最大約1/4まで低下させた.以上より,両法は前加熱処理に伴う着色という課題を小さくできることがわかった.