土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第57巻
下水管内における硫化水素の生物学的酸化を促進する高導電性コンクリートの開発
福島 聖人Kanathip PROMNUAN安井 美智鈴木 祐麻今井 剛佐久間 啓人見 隆
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 76 巻 7 号 p. III_85-III_92

詳細
抄録

 本研究の目的は,導電性コンクリートが下水管内で生成した硫化物(硫化物イオン,硫化水素イオン,および硫化水素)の濃度を低減するメカニズムについて理解を深め,市販の導電性コンクリートより高い効果を示す導電性コンクリートを開発することである.まず,下水汚泥から分離した電子放出菌の植菌が硫化物の濃度に与える影響を評価した結果,植菌により硫化物が低減されることが確認できた.つまり,硫化物が電子放出菌により酸化されていることが分かった.次に,アセチレンブラックおよびマグネタイトを導電性物質として選定し,これらの導電性物質の配合量が異なる導電性コンクリートを用いた実験を行った.実験の結果,配合量を最適化した新規導電性コンクリートは,市販の導電性コンクリートより高い硫化物低減効果を示すことが分かった.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top