2021 年 77 巻 5 号 p. I_69-I_76
現在,日本の水道普及率は98%を超え,安全で美味しい水の供給が求められている.このような中,貯水池の水質の管理は極めて重要な課題である.特に森林の水源涵養機能は,水資源の貯留,洪水の緩和,水質の浄化など様々な機能を有し,雨水の川への流出量の平準化やおいしい水の供給に大きく貢献している.東京都水道局は水道水源林の機能向上のために荒廃した民有林を購入し,整備することで小河内貯水池の水源管理を行っている.だが,小河内貯水池の森林面積は240km2に及び,その整備について流域特性に基づいた整備及び購入の優先度を検討する必要がある.そこで本研究では,小河内貯水池集水域の森林の整備購入優先度について,管理区分,樹種,林齢,植生などの観点から検討した.その結果,貯水池中央部付近の流域が優先度が高いことが分かった.