2021 年 77 巻 6 号 p. II_131-II_137
本研究では,近年増加している熱中症に着目し,交通行動パターンからそのリスクを評価し,交通行動変容を期待した環境政策の有効性を示す.具体的には,GPSを用いた交通行動データおよび温度・湿度計測装置を用いて,交通行動者の熱中症リスクを定量化する.WBGT指標値とWBGTを3時間累積して得られる熱ストレス指標値を用いて検討した結果,高齢者と若年者で熱ストレス指標値に有意な差はないことがわかった.また,熱中症リスクが高い歩行場所として,鉄道駅周辺において危険判定の徒歩移動が多いことがわかった.また,徒歩トリップの時刻変更による熱中症リスクの低減効果を検討した結果,2時間の時刻変更で14%の熱中症リスクの低減が可能であることが分かった.