2021 年 77 巻 7 号 p. III_11-III_20
流域に大都市がある桂川において,合流式下水道のB下水処理場を対象として,降雨時での下水処理場放流水及び放流先河川水に含まれる衛生微生物(E. coli, GII-NoV, PMMoV)の存在実態を調査した.また,非降雨時に調査した先行研究と,降雨による衛生微生物負荷量の上昇の程度を検討した.降雨により増加する流入下水の一部が簡易処理のみで,生物処理水に混入することで,下水処理場放流水の微生物負荷量の増大を引き起こすこと,その結果,河川水の衛生微生物濃度も上昇することが明らかになった.しかし,下水処理場放流点の上下流の河川地点での収支からは,対象としたB下水処理場の放流水以外の排出源からの衛生微生物の寄与が多く,この原因追及が今後必要である.