2021 年 77 巻 7 号 p. III_269-III_275
近年,環境中におけるマイクロプラスチック(MPs)の生成挙動について研究が進められている.これまで海底や砂浜に関する研究が進められたが,路上に関する研究は限られている.本研究では,路上におけるプラスチック製品からのMPsの生成挙動を明らかにすることを主目的とし,路上を模擬したマイクロプラスチックの生成実験を考案した.1×1cmにカットした3種類のレジ袋と3種類のストローに0, 144, 288, 576, 1152時間の5条件で紫外線(波長302nm)を照射し,0, 5, 10, 50, 200, 400回の6条件の足踏作用を加えMPsを生成させた.その結果,粒径20µm以上のMPsがレジ袋から3,900~5,710個,ストローから3~1,930個生成した.粒径20µm未満のMPsが1×1cm四方のレジ袋から面積比にて37~40%,個数にて約147万~162万個生成したと推察し,路上においてもMPsの生成が起きている可能性を示した.