土木学会論文集G(環境)
Online ISSN : 2185-6648
ISSN-L : 2185-6648
環境工学研究論文集 第58巻
撹拌方法の最適化による無終端水路反応槽におけるN2O排出抑制戦略 ―実処理場での連続測定と実証試験―
大友 渉平柴田 悟李 玉友高階 史章宮田 直幸増田 周平
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 77 巻 7 号 p. III_71-III_82

詳細
抄録

 機械式撹拌を行う無終端水路の生物反応槽において,高度窒素除去と亜酸化窒素(N2O)生成抑制を可能にする運転方法を明らかにすることを目的に,実処理場において異なる撹拌方法を設定して実証試験を行い,環境条件とN2Oの動態を解析した.その結果,撹拌方法の違いにより,溶存酸素(DO)およびN2Oの濃度は時空間的に異なった.無酸素エリアと適切なDO濃度の好気エリアを同時に形成する撹拌方法では,74%の無機態窒素除去率と,0.31%の低いN2O排出係数を達成した.N2Oの生成は,流入下水量,DOおよび有機物の影響を強く受け,N2Oの抑制には適切な無酸素エリアの形成と有機物の供給によるN2O還元の促進が重要と考えられた.以上をふまえ,実処理場のN2O発生量を最小化する撹拌方法の最適化について考察した.

著者関連情報
© 2021 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top