2022 年 78 巻 1 号 p. 21-29
酸性泉の流入による河川水の酸性化は,河川水の用水としての利用やコンクリート製河川構造物の建設などの河川総合開発を困難にしている.本研究は,酸性河川水の水質改善を目的として,電気化学的手法による中和処理を新たに提案し,その可能性について検討した.酸性河川水を被検水として,陽極に多孔質材を用いた場合,セルにおいて被検水のpHはアルカリ性に変化した.一方,アルカリ性水溶液を被検水として,陰極に多孔質材を用いた場合,被検水のpHは酸性に変化した.陰・陽極ともに金属板電極を用いた対照実験では,セルにおける被検水のpH変化は僅かであった.これらの結果より,印加によるセルにおけるpH変化は主に,イオン種の多孔質電極内への泳動の影響と推察された.電気化学的手法による酸性河川水の中和処理は可能と考えられた.