2022 年 78 巻 2 号 p. 61-70
本研究は,1)水路式魚道の縦断勾配1/20と1/10との流れと魚類の遊泳行動の比較検討を行うとともに,2)魚類がより遡上しやすい粗度配列の提案および検討すること,を目的として実験を行った.その結果,1/20勾配に比べて1/10勾配での水路式魚道の流速は全体的に2倍ほど速く,後者でのウグイの遡上率は3.3%と困難となったため,流速が速くても魚が遡上できるであろう粗度配列(整列配列および千鳥配列の組み合わせ)を提案したが,ウグイの遡上率は向上しなかった.そこで,塞き上げ効果による水深確保と流速低減によって休息場の形成や流れの多様化を期待し,粗度を群体(粗度群)として用いた,粗度群配置を提案した.その結果,ウグイの遡上率は先のケースに比べて8倍である26.7%まで向上できた.