2022 年 78 巻 5 号 p. I_309-I_316
開発途上国の今後の水道整備の在り方を検討するため,利害関係者の評価や改善要望を定量的に把握する必要がある.本研究では,ベトナムの大学生による水道の利用実態と水道水に対する評価について,地域によるそれらの差異を明らかにするためにアンケート調査を実施し,136件の回答を用いてクロス集計およびFisherの正確確率検定,平均値の差の検定を行った.その結果,都市と農村において水道整備状況や水道水の利用実態が異なるにもかかわらず,両地域において水道水に対する評価が良く,改善要望が高かった.水道整備によって水汲み労働からの解放や健康リスクの減少が実現されたため,満足度が高い一方で,給水される水の水量や水圧の不足,雨季の水質悪化などの新たな問題が生じるため,改善要望が高いことが示唆された.