2022 年 78 巻 6 号 p. II_225-II_236
本研究では,施設園芸における太陽光を主軸とした再生可能エネルギー電力活用モデルの導入可能性を明らかにするため,電力完全自立型と電力自立志向型と二つの志向の異なる事業モデルを想定し,その事業性を評価した.事業性評価では,スケールメリットや将来的なコスト低減に伴う太陽光発電の調達価格変化,地域活用電源制度やJ-クレジット制度活用などを含む政策誘導,太陽光発電設備の容量,ヒートポンプの導入費用,重油価格の各パラメータに対し,複数のケースを設けて試算した.その結果,電力完全自立型では,内部利益率が負値を示し事業性を有するモデルとはならないこと,電力自立志向ではいくつかの条件が整えば内部利益率が13.5%以上となり有効な事業モデルとなることが確認できた.また,想定したすべての事業モデルで,重油価格が事業性に及ぼす影響が大きいこと,定置型蓄電池の調達価格が総コストに占める割合が高いことが明らかとなった.