抄録
現在,ジオテキスタイル補強土壁が急速に普及している.しかし現在の設計法では2次元的なジオテキスタイルの配置方法が規定されているが,3次元的な補強効果を考慮した配置方法についての明確な規定はなく,また研究も少ない.適切な3次元的配置方法を確立する第一歩として高さ4m,幅8mの実物大補強土壁を用いた載荷実験を行い,3次元的な補強のメカニズムを調査し,3次元有限要素解析にて検証をおこなった.ジオテキスタイルの配置方法は矩形配置,千鳥配置の2ケースとした.実験及び解析による検証の結果,千鳥配置は,矩形配置と比較して補強盛土内のせん断ひずみなどを減少させることにより,のり面の変形などを抑制し,補強土壁の安定性を向上させる効果があることを確認した.