土木学会論文集G
Online ISSN : 1880-6082
ISSN-L : 1880-6082
和文論文
木質爆砕物の法面緑化資材としての利用
牧 孝憲高橋 徳舛田 智江根本 健児落 修一
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 62 巻 2 号 p. 220-228

詳細
抄録

 廃木材を爆砕処理した木質爆砕物をピートモス代替物として法面緑化資材に利用するために,木質爆砕物を用いた各種試験をおこない,以下の結果を得た.(1)木質爆砕物に大量に含有される有機酸および低pHは,植物の発芽・生育を阻害することが明らかとなった.(2)木質爆砕物に中和資材を添加すれば,植物は十分に生育できた.(3)中和資材を添加し,木質爆砕物を3~7割配合した法面緑化資材による法面緑化工を実施したところ,導入草本植物の発芽・生育は不良であった.しかしながら,導入木本植物の発芽・生育は良好であり,また周辺環境より草本植物が侵入・定着できた.以上の結果から,木質爆砕物は周辺環境に調和した法面緑化が達成できる資材として利用でき,ピートモスの代替となり得ると推察された.

著者関連情報
© 2006 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top