2007 年 63 巻 1 号 p. 68-76
非滅菌の模擬生ごみを原料とする高温L-乳酸発酵において,同発酵を行った発酵混合液を植種として利用する回分式培養により運転可能範囲の拡大化を検討したところ,55℃でpH6.0の条件において光学純度99%以上のL-乳酸を得ることができた.次に,この運転条件を半連続式培養へ適用した.運転1日目にL-乳酸発酵混合液を植種し,1日1回の基質添加および発酵混合液引抜き操作,COD負荷率44.8g-COD/L-Reactor/日の条件で培養を行った結果,運転2日目より高い収率でL-乳酸を得た.運転10日目までの発酵混合液の平均乳酸濃度は25.9g/L, 収率は0.51(基質中糖質量基準),生成した乳酸の光学純度は99%以上であった.また,pH値維持のため生成乳酸を中和する中和剤の消費記録により,乳酸発酵過程が記録できることを確認した.