抄録
鹿島橋では,アルカリシリカ反応 (ASR) により鉄筋破断をともなう,大きな損傷が発生し,2005年に橋脚の梁部がすべて打替えられた.この際に,再生骨材のアルカリシリカ反応性を評価することを目的にして,安山岩を含有する解体コンクリート塊より再生骨材を製造した.一連の試験より,再生骨材のアルカリシリカ反応性は化学法やモルタルバー法による判定が困難であり,再生骨材コンクリートの促進養生条件下での膨張率の測定により評価することが適当であった.また,再生骨材コンクリートは骨材周囲の反応環の影響で膨張の開始が遅れるが,その後の膨張挙動は原骨材のものとほぼ同様となった.さらに,フライアッシュ15%の添加または高炉セメントB種の使用による抑制対策は必ずしも有効ではなかった.