土木学会論文集G
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和文論文
新型汚泥保持担体を適用した第6世代型DHS反応器における下水処理性能
小野寺 崇Doni SUGIYANAMadan TANDUKAR上村 繁樹長野 晃弘山口 隆司大橋 晶良原田 秀樹
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2008 年 64 巻 2 号 p. 78-87

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抄録

 新型汚泥保持スポンジ担体を用いたDown-flow Hanging Sponge (DHS-G6)法を,都市下水を処理するUASBの後段処理に適用し,連続運転試験を行なった.本システムは,HRT8.8時間(UASB6.6h,DHS2h),平均温度25°Cの条件下で,8mg-BOD/Lおよび4mg-TKN/Lの良好な処理水質を得た.新型スポンジ担体の保持汚泥濃度は18.1g-VSS/Lと,前世代型スポンジ担体よりも低かったが,一方でDHS-G6は,理論HRT120分に対する実測HRTが67分となり,短絡流の抑制については,DHS-G6と同様のランダム充填方式である前世代型DHS(G3)よりも改善されていた.DHS-G6の酸素供給は自然通気のみで,反応器内の酸素濃度は外気と同程度となり,処理水のDOは8.1mg/Lを得た.DHS-G6では,優れたDO供給に加え,保持汚泥が高い硝化活性(最大60mg-N/g-VSS·day)を有していたことで,卓越したTKN除去性能を発揮したと考えられた.

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© 2008 社団法人 土木学会
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