抄録
鶏ふんおよび豚ふんを焼却処理して発生する焼却灰中には,肥効成分であり,枯渇性資源であるリンが含有されている.本論文では,家畜ふん焼却灰中からリンを回収するため,適切な回収条件を明らかにし,得られた回収物のリン酸質肥料としての評価を行った.焼却灰に1.5M塩酸でリンを溶出させた酸抽出液に対して,6Mアルカリを約8∼10%添加することで,肥効成分であるク溶性リンを約150mg/g含有する化合物を得ることができた.この濃度は市販のリン酸質肥料である焼成リン肥中リン含有量に匹敵する.回収物中のリン化合形態をXRDで分析した結果,溶液pHの増加とともにDCPDからHAPへとリン酸カルシウムの化合物形態が変化した.これは,DCPDとHAPの溶解度曲線から説明できることを明らかにした.