抄録
現在の流域・都市の水循環が抱える問題を解決するために,水を使用せずかつ資源回収が可能なコンポスト型トイレを用いた分離分散型排水処理システムが注目されている.本研究では,本システムの水環境中への汚濁負荷,及び本システムのエネルギー負荷を算定した.結果として,汚濁負荷に関しては,従来型システムと比較して,特にリン・窒素の負荷量の低減効果が大きく,水洗トイレ用水が不要となることから,水使用量も削減することが示唆された.また,エネルギー負荷に関しては,米ぬか(熱源)および生ゴミ投入を行うことで,トータルのエネルギー消費量を減らすことができ,スケールメリット的には有利な下水道システムに比べても,省エネルギー型のシステムであるということが示唆された.