2010 年 66 巻 4 号 p. 201-210
本研究では沈水植物および付着藻類を利用した内分泌攪乱化学物質(EDCs)の除去に関して,室内実験および現地観測によって検討した.室内実験ではEDCsの吸収・除去能力に対して水温が与える影響を検討し,沈水植物および付着藻類のEDCs除去速度を定式化した.また,沈水植物や付着藻類の繁茂が顕著である神奈川県川崎市二ヶ領用水における現地観測から,流下に伴いEDCs濃度が減少していることが分かった.さらに,実験結果から得られた沈水植物および付着藻類のEDCsの除去速度を用いて,この流下に伴うEDCs濃度の減少傾向を再現可能であり,ファイトレメディエーションによる EDCsの除去が期待できることが示唆された.