2012 年 68 巻 2 号 p. 355-374
高速道路建設において,コスト縮減や現地発生材の有効利用が可能な盛りこぼし橋台の採用が増加している.その構造は,盛土で構築された地盤(以下,「盛土地盤」という.)上に橋台を設け,地盤内に杭を設けて橋台を支持するものである.したがって,盛土地盤は杭に必要な地盤抵抗が求められるが,その設計施工法に確立されたものがない.そこで,筆者らは,盛土地盤の設計施工法の確立を目的として,高速道路での施工事例についてデータ整理・分析してきた.本論文では,これまでに施工された107橋台の盛土地盤を対象として,盛土地盤の強度・変形特性や圧縮沈下特性の施工記録の分析結果,及び地震時における地盤の変位が杭の安定性に与える影響について検討した結果,またその結果を基に設計法や施工管理基準を確立したことについて述べる.