産業廃棄物の不法投棄等現場の斜面崩壊や処分場跡地の高度利用を考える上で,廃棄物の力学特性の解明やその評価法の提示が強く求められている.特に,廃棄物地盤は現場によって組成割合が大きく異なることから,組成割合と力学特性の関係を明らかにすることは重要である.本研究では,組成割合の異なる国内不法投棄等現場2ヵ所と海外の埋立処分場2ヵ所を含めた計4ヵ所の廃棄物地盤を対象として原位置試験を実施し,原位置での力学特性を明らかにすると共に,組成割合との関連性を考察した.その結果,廃棄物は繊維廃材を多く含むことにより,延性的な挙動を示すことを明らかにした.またせん断強度特性と繊維廃材含有率の関連性の評価を行い,組成割合の異なる廃棄物のせん断強度を評価する上で,繊維廃材含有率が重要な指標になり得ることを示した.