土木学会論文集C(地圏工学)
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和文論文
三軸圧縮下の不飽和砂の進行的なせん断帯発達過程における間隙水の微視的特性
木戸 隆之祐肥後 陽介高村 福志
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2017 年 73 巻 2 号 p. 233-247

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抄録

 不飽和土はメニスカス水に働くサクションにより高い強度・剛性を示すが,ピーク強度後は完全飽和土や乾燥土に比べて明瞭なせん断帯と顕著なひずみ軟化を伴い脆性的な破壊モードを示す.不飽和土の破壊メカニズムの解明には,せん断帯発達に伴うサクションの進行的な変化や,メニスカス水の分布が巨視的な力学挙動に及ぼす影響を把握することが重要である.本研究では,不飽和砂の三軸圧縮過程で生じるせん断帯をX線CTで可視化し,間隙水の曲率,存在形態を調べる画像解析を行った.その結果,せん断帯の発達過程でサクションの変化は極めて小さいことがわかった.また,メニスカス水の数の減少がひずみ軟化の一因であることを明らかにした.特に,せん断帯内部はメニスカス水の数が少なく,軸差応力へのサクションの寄与が小さいことが示唆された.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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