2020 年 76 巻 3 号 p. 235-253
近年,異常降雨や大規模地震に起因して高速道路の切土および盛土が被災し,物流や日常生活に影響を与える事象が顕在化してきている.一方,高速道路の延長は約4割が供用30年以上を経過し,経年劣化のリスクの高まりが懸念されている.本稿では,東北地方の高速道路ののり面で発生した187個所ののり面の災害事例から抽出した地形,地質および盛土材料などの「素因」を点数化し,「予防保全」の視点から,東北地方の高速道路の切土および盛土のり面の健全性を評価するとともに,平成元年10月の台風19号の被災個所を用い評価の妥当性を検証した.その結果,豪雨時に崩壊する可能性のある切土のり面および盛土のり面を素因のみから評価し,予防保全的な対策の優先度の順位付けができることを示した.