2020 年 76 巻 3 号 p. 254-265
地震時におけるため池堤体の挙動に関して,基礎地盤に対策工を施した研究事例は数多くある.しかし,堤体に着目し,水位の違いや締固め度の違い,また対策工の有無が地震時挙動に及ぼす影響に関して研究した事例は少ない.そこで本研究では,浸透流が作用するため池堤体への対策工の有無が変形量や機能性に及ぼす影響について遠心模型実験により検討した.堤体は2種類の締固め度を検討した.その結果,1)湛水部の貯水位が高い場合は,上流側と下流側への変形により堤体が大きく沈下すること,2)湛水部の貯水位を下げた場合,最も変形を抑制できること,3)ドレーン工法のような下流側の浸潤面を下げる工法が高い耐震性を発揮すること,4)上流側の押え盛土が,上流側の堤体変形量を抑制することが明らかになった.