2020 年 76 巻 3 号 p. 277-284
本論文では,3種類の海成粘土に固化材を混合した直後に定ひずみ速度圧密試験を行い,固化材混合土と未混合土の圧密・透水特性を比較した.また,固化材混合による海成粘土の透水性の改善効果を定量化するために,間隙水の水溶性陽イオン含有量及び供試体のイオン交換容量を測定し,Komine and Ogata1)のイオン交換容量を考慮した透水係数算定式を,非膨潤性粘土に適用できるように修正して透水係数を算出した.その結果,固化材を添加することにより供試体のCa2+の交換容量が増加し,それに伴って透水係数が増加することが明らかとなった.