抄録
小川原湖は青森県東部に位置する汽水湖であり,ヤマトシジミの産地である.2002年以降,資源量および漁獲量は減少がみられた.2005年以降,漁獲量は減少傾向が続いたが,資源量は回復し,現在に至っている.ヤマトシジミの生息範囲を評価することは,種苗放流における場所の選定等に役立つと考えられ,資源量および漁獲量の安定に繋がると推測できる.本研究では資源量・漁獲量の安定化を目指す第1歩として,ヤマトシジミの成長および生息範囲を評価した.その結果,ヤマトシジミの生息,成長に適している地点はイカト地区,三沢灘地区であり,成長に適していない地点は島口地区内の西部とタカトリ地区であることがわかった.