土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第61巻
擬似温暖化実験による岐阜県・愛知県の集中豪雨に関する将来変化
吉野 純林 光太郎小林 智尚
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2017 年 73 巻 4 号 p. I_127-I_132

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抄録

 本研究では,高解像度な地域気候モデルを用いて擬似温暖化実験(全球気候モデルHadCM3のうちSRES A1Bシナリオの2090年代を想定)を行い,岐阜県・愛知県における集中豪雨に関する将来変化について定量化した.全体的に年最大日降水量に関しては1.5~2倍程度の増加傾向に,また,日降水量100mm以上年間日数に関しては1.0日程度の増加傾向にあった.ただし,岐阜県中央部の山間部ではこれらの将来変化は相対的に小さく,集中豪雨に対する温暖化影響には地域差が認められた.将来気候では,より風上側にあたる岐阜県南部・愛知県の平野部において積乱雲活動が活発となり,岐阜県中央部の山間部への下層における水蒸気流入が阻害される可能性が示唆された.

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© 2017 公益社団法人 土木学会
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