2017 年 73 巻 4 号 p. I_253-I_258
二周波降水レーダ(DPR)を搭載したGPM主衛星が2014年3月より運用されている.DPRはKuPR,KaPRと呼ばれる2つのレーダから構成されており,熱帯降雨観測衛星(TRMM)に搭載されていたPR降水レーダよりも高精度な観測が可能であるが,人工衛星に搭載された二周波降水レーダによる降水観測は初の試みであるため,観測結果について十分な評価が必要である.本研究では,地上レーダによる観測として国土交通省の運用するXバンドMPレーダ雨量観測(XRAIN)に着目し,DPRの降水強度の評価を行うことを目的として降水強度の比較を行った.また,比較結果より両者の降水強度の違いについてDPRアルゴリズム上の要因を考察した.