抄録
本研究では原位置バイオレメディエーションの効果を検証するため,還元条件下での揮発性有機化合物(VOCs)の分解を対象に,数値解析により各物質の一次反応速度定数を算出した.対象地は,地下水から環境基準を超える塩素化エチレン類,塩素化エタン類,塩素化メタン類,およびベンゼンといった多種類のVOCsが検出された廃棄物不法投棄現場である.ここでは,飽和帯の浄化対策として嫌気分解と生物学的脱塩素化を利用した原位置バイオレメディエーションが適用された.数値解析の結果,VOCsでは基準とした塩素化エチレン類の自然減衰速度の最大40倍,DCMとベンゼンでもそれぞれ最大17倍,15倍の分解促進効果があることが明らかになった.この結果,還元条件下における原位置バイオレメディエーションがDCMとベンゼンに対しても有効な手法になり得ることが示された.