抄録
一定曲率半径Rをもつ湾曲水路において,横越流箇所の相違による横越流量特性について実験的に検討を行った.R=0.50mと0.70mの2種類の水路を用いた.また流入流量と横越流堰高さを種々変えて実験を行った.その結果,次のことが明らかとなった.(1) 横越流量は越流水深のベキ乗数に比例する.横越流箇所が湾曲部入り口付近であるとベキ乗数は3/2乗に近く,下流に設置するにつれベキ乗数の値は減少する.(2) 湾曲部入り口から水路中間部までの流出流量比は横越流箇所にあまり依存しないが,それ以降では流出流量比は減少する.(3) 流出流量比はR=0.50mの場合のほうがR=0.70mよりも大きい.(4) 著者らの曲率半径を考慮した横越流量算定式を準用した結果,湾曲部入り口と出口近傍以外では良い精度を示した.