抄録
本研究では,インドネシア国ソロ川流域を対象に超高解像大気大循環モデルであるMRI-AGCM3.2S出力と竹内らの提案するBTOPモデル1)を活用し,現在(1979-2003年)および21世紀後半(2075-2099年)におけるダム貯水量と,貯水量に対応した灌漑可能面積を算出し,気候変動が灌漑農業をはじめとする利水に及ぼす影響を評価する.ソロ川流域では将来,雨季を中心に降水量が増大すると予測される.流域最大の貯水池であるWonogiriダムでは将来,流入量が増加する時期があることから,洪水期・非洪水期の期別の見直も必要と考えられる.将来における灌漑可能面積は,雨季後半から乾季を作付期とするII期で増大し,渇水リスクの減少が見込まれる.