2018 年 74 巻 4 号 p. I_79-I_84
過去の強雨の再現期間計算や降水イベントシミュレーションのため,既往研究ではレーダアメダス解析雨量が用いられてきた.著者らはより時空間解像度の優れる地上レーダデータを用いることでさらに高解像度な面的降水量データが作成できると考え,地上レーダとして国土交通省の運用するXバンドMPレーダネットワーク(XRAIN)に着目したが,既往研究よりXRAINは山岳部やレーダサイト付近での過大評価の問題が指摘されている.そこで,全球降水観測計画(GPM)主衛星の二周波降水レーダ(DPR)のデータを使用してこれら問題について補正を行い,補正したデータよりモンテカルロシミュレーションによる豪雨イベント作成を行った.また,関東と九州北部エリアにて確率降水量と再現期間を計算した.