2018 年 74 巻 4 号 p. I_97-I_102
本研究では,神田川上流域における豪雨イベントを対象とし,XRAINや地上観測雨量データを用いて,流出モデルによる流出解析を実施し,計算流出ハイドログラフおける再現性(Reproducibility)を検証した.XRAINは詳細な空間分解能を有するものの,都市中小河川でそのまま流出計算に使用すると観測流量ハイドログラフの再現性が低下する場合があることを確認した.一方,高密度の地上観測雨量データを使用した場合,流出ハイドログラフの再現性は最も高いことがわかった.さらに,XRAINにおける時空間的な相関特性を考慮した補正を実施することで,単にXRAINをそのまま使用するよりも計算流出ハイドログラフの再現性の向上が可能であることを示した.