土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第63巻
実河川流域における大量アンサンブル気候予測データに基づく年最大流域平均雨量の算定
植村 郁彦舛屋 繁和吉田 隆年大村 宣明千葉 学戸村 翔山本 太郎時岡 真治佐々木 博文濱田 悠貴星野 剛山田 朋人
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_115-I_120

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抄録

 2016年8月北海道豪雨激甚災害では,連続した台風の上陸や観測記録を上回る降雨が発生した.近年,このような気候変動の影響の顕在化が懸念され,気候変動を考慮した治水対策が必要とされている.これまでの治水対策は過去の観測データに基づき整備目標を定めてきたが,将来の気候変動下で発生する事象への対応には,気候予測データの活用が必要不可欠である.本研究では,気候予測データの治水対策への活用に向け,水平解像度の異なる2つの大量アンサンブル気候予測データから年最大流域平均雨量を算出し,実績降雨との累積相対度数の比較により再現性を評価した.気候予測データは実績降雨を高い精度で再現していることを確認した.また,対象流域では将来気候下において年最大流域平均雨量が約1.4倍に増加することを確認した.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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