2018 年 74 巻 5 号 p. I_271-I_276
気象庁高解像度降水ナウキャストは,最先端の現業の短時間降水予測である.しかし,予測誤差の変化に追従して対応する修正や予測の不確実性の考慮が十分でない.そこで本研究では,補外予測をベースとした直近の過去の複数の予測結果を分析し,「経験上最も確からしい予測」を選択する方法を検討した.さらに,過去の予測の不確かさの情報をもとに,予測を補正するスキームも導入した.本研究では,非常に簡便な予測手法をとっているが,気象庁高解像度降水ナウキャストと同等程度の予測精度を示した.線状降水帯事例に対しては60分後予測の期間積算雨量の最大値の形状をより的確に表現し,降水の変化が激しい事例に対して降水の発生に対する高い応答性を示した.