2018 年 74 巻 5 号 p. I_367-I_372
本研究では,釧路湿原の植物の生育条件の明確化を目的とする.近年釧路湿原ではヨシを主とする湿原面積が減少し,ハンノキ林の急激な拡大による湿原本来の植生環境の変化が問題となっている.ハンノキ林の拡大要因について科学的な因果関係は明らかになっていない.そこで本研究では地下水位と地盤高標高に着目して植生分類を行うことで現況植生と地下水位との関係を明らかにすることを試みた.植生分類には地下水位の状態を表す説明要因を機械学習法の1つであるRandom Forest法でモデル化し分類結果と関連の強い説明変数を算出した.作成したモデルから77.8%の正答率が得られ,地下水位の変動が小さい地点でハンノキが生育しやすいことが示唆された.このような知見は,地下水環境の改善を通した今後の湿原再生に有用な情報となる.