2024 年 24 巻 6 号 p. 6_14-6_26
大地震時における建物の高度な継続使用を図るため,免震建物のセミアクティブ制御に関する研究が行われている.しかしながら,セミアクティブ制御では,断層近傍のパルス性地震動の特徴を有する地震波に対しては応答低減が困難であった.そこで本研究では,これらパルス性地震動に対して,免震建物にアクティブ制御力を与えるアクティブ免震手法の有効性を検証することを目的とする.振動台実験を行い,上部構造応答を非制御のケースと比較した.また,実験結果を数値解析によってモデル化して実験結果を検証し,その結果,アクティブ免震手法を用いた場合には,地震波の特性や免震建物の周期によらず,全てのケースで絶対変位,絶対加速度を同程度に低減でき,パルス性地震動に対しても制御の有効性が確認された.