2018 年 74 巻 5 号 p. I_415-I_420
本研究では,北海道の一級河川である鵡川,近畿の一級河川である木津川(淀川水系)を対象とし,環境DNAメタバーコーディングの魚類調査法としての有効性の検証を目的として,環境DNAメタバーコーディングと魚類の採集調査(河川水辺の国勢調査)の結果を比較した.その結果,両河川における,すべての地区,環境区分において,採集で確認された種に比べて,環境DNAメタバーコーディングで確認された種が多かった.また,魚種ごとに環境DNAメタバーコーディングの有効性を詳細にみたところ,両河川ともに,大型,小型,遊泳,底生など一般的な生態の魚類には有効なモニタリング手法であることが示された.