2018 年 74 巻 5 号 p. I_61-I_66
水・エネルギー・炭素循環を解くための全球モデルの多くは,平板近似を用いた放射伝達スキームを導入している.人間活動に伴う森林の増減や北方域での植生―気候フィードバックを精度よく解くために,放射伝達スキームにおける森林構造をより適切に表現することが求められる.本研究では,高解像度3次元放射伝達モデルを用いた感度実験を通して,森林構造を表現する 5 つのパラメータについて放射伝達パラメータとの関連性を考察した.
その結果,放射伝達パラメータと樹冠被覆率との非線形性を適切に表現すること,樹冠長さを新たなパラメータとして導入することの意義を示した.本研究は,今後ますます集積が期待される森林構造情報を放射伝達スキームに取り入れるための重要な知見を提供する.