土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第63巻
九州地方を対象とした河川水温の経年変化に関する基礎的研究
野田 洋二皆川 朋子一柳 英隆小山 彰彦
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2018 年 74 巻 5 号 p. I_79-I_84

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抄録

 本論文では,九州地方における河川水温の経年変化の実態を把握し,その要因を考察した.水文水質データベースの1971~2016年の水温データを用いて水温上昇率(℃/年)を算出した結果,平均値は0.034℃/年であり,有意な上昇傾向は132地点中35地点で検出され,最大値は0.109℃/年であった.水温上昇率は人口密度が高い水系や年平均流量が小さい水系において大きい傾向が見られた.また,水温上昇率と堰の位置との関係を分析した結果,観測点から上流2000m以内の堰が下流の水温上昇に影響を及ぼしていることが示され,これらの地点では特に5~11月における水温上昇率が高く,各月の平均値が0.060〜0.087℃/年であった.

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© 2018 公益社団法人 土木学会
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