抄録
鉄道の降雨災害には,線路から離れた渓流を発生源とする土砂流入災害もあることから,渓流の流域内の降雨量を観測して降雨時運転規制を実施していくことも必要といえる.しかし,降雨時運転規制に利用している鉄道雨量計の設置間隔は,局地的な大雨の雨域よりも広い場合があり,鉄道では,解析雨量を降雨時運転規制に導入することを検討している.そこで,本論文では,過去に発生した土砂流入災害の事例等に基づき,渓流の流域面積や線路から流域の最遠部までの距離を明らかにしたうえで,降雨の面的な距離依存性に着目した分析を行った.その結果,被害をもたらす流域の最遠部までの距離は約1.3kmであり,この距離であれば,線路直上メッシュの降雨量との相関性が高く,保全対象物の直上の解析雨量を用いればよいことがわかった.