2019 年 75 巻 1 号 p. 122-129
過去の強雨の再現期間の計算や将来気候における降水解析のため,既往研究では28年分のレーダアメダス解析雨量のデータが用いられている.著者らの既往研究では全球降水観測計画の主衛星に搭載された二周波降水レーダデータにより補正したXバンドMPレーダネットワークデータを用い,極端な豪雨イベントの作成を行った.しかし,計算に使用したのは3年分のデータであり,既往研究と比べて十分とは言えない.そこで本研究では,着目エリアにおいて観測データが十分とは言えない場合にも良好な結果が得られるよう,解析手法の改良を行う.また,改良した解析手法を観測データが存在しない高知エリアに適用した.