2019 年 75 巻 1 号 p. 208-213
平成30年7月豪雨では物部川においても記録的な出水となった.幸いにも甚大な浸水被害が発生することはなかったものの,この出水において,治水対策における事前対策の重要性や氾濫頻度が低い河川における避難行動を促すことの難しさなどが再認識された.
このため,本稿では平成30年7月豪雨における物部川の出水や洪水予報等の概要,近年実施した引堤事業が進められなかった場合の同豪雨での氾濫想定,記録的な出水に至ったにも関わらず顕著な避難行動が確認されなかったことやその原因分析の端緒となる住民意識調査の結果などを報告するとともに,ハード・ソフト一体となった水害対策の重要性に言及する.