2019 年 75 巻 1 号 p. 200-207
平成30年7月豪雨では広島県野呂川流域では記録的な豪雨を受け甚大な被害が発生した.これは広島県特有の土砂災害と河川災害の相乗型豪雨災害の典型例であった.本稿では土砂や流木の流出が野呂川ダムおよびダム下流側の河川氾濫に与えた影響を考察した結果を報告する.
主要な結論は次のとおりである.1)野呂川ダム,野呂川,中畑川は土砂や流木の堆積が主な被災原因であり,中畑川の堤防決壊は,下流側の橋梁地点での流木による河道閉塞が主な被災原因であった.2)野呂川ダムへの流入量・放流量を算定し,最大流入量は179m3/s,最大放流量は173m3/sと推定された.3)野呂川ダムへの降雨のみの流入量を算定した.4)野呂川下流域の被災流量を野呂川ダム直下で180m3/s,藤浪水位局で230m3/s,二支川合流後で430m3/sと推定した.