2019 年 75 巻 1 号 p. 317-323
平成30年7月5日から7月7日にかけて西日本では梅雨前線の活動が活発になり,西日本から東海地方を中心とする広い範囲で記録的な大雨に見舞われた.八田原ダムが位置する広島県では7月6日に大雨特別警報が発表され,各地で大きな被害が発生した.芦田川流域では総降水量約385mmを記録し,八田原ダムでは管理開始以来最大の流入量を記録する大きな洪水となった.全国に先駆けて中国地方整備局で,特別防災操作の実施要領を作成しており,八田原ダムでは,下流河川の状況,貯水状況を踏まえ,気象予報等により次期洪水が発生しないことを確認した上で,特別防災操作を実施した.特別防災操作を含むダム操作により,下流父石地点において,水位が約50cm低下し,家屋浸水を約10戸軽減することができた.本稿では洪水調節の概要,今後に向けての課題,と対応方針について概要を報告するものである.