2019 年 75 巻 1 号 p. 370-377
豪雨災害時に住民が避難行動を起こす一つの重要な情報に避難勧告等の避難情報がある.要配慮者利用施設においては,利用者を福祉避難所等の他の施設および垂直避難を行う必要がある場合も存在する.本稿では西日本豪雨時における防災気象情報と避難情報との関連を整理するとともに,要配慮者利用施設における避難の実態を調査した.この結果,多くの自治体で土砂災害警戒情報が避難勧告等の発令に対して重要な役割を果たしていたこと,避難準備・高齢者等避難開始情報はあまり発表されていないこと,要配慮者利用施設では避難の判断に苦慮していたことなどが明らかになった.