2019 年 75 巻 2 号 p. I_1381-I_1386
平成30年西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県高梁川水系の被災世帯住民に対する二種類のアンケート結果(岡山放送,岡山県検証委員会)を用いて,避難行動とハザードマップの認知度を比較・検討した.その結果,ハザードマップの認知度は,2種類のアンケート共に20%強であり,決して高くない.岡山放送のアンケート結果より,ハザードマップの認知度が高い人ほど,大雨特別警報や避難勧告・避難指示といった災害情報に対しての理解度が高く,それらが発表・発令されると早期に避難行動をとる傾向にある.岡山県検証委員会の結果より,65歳以上にはハザードマップの認知が避難行動を促す大きな要因と考えられるが,65歳未満にはその逆の傾向あることが示唆された.