2019 年 75 巻 2 号 p. I_763-I_768
近年,気候変動の影響により局所的豪雨が頻発するようになり,貯水池内の濁度の上昇や濁水放流の長期化が問題となっている.貯水池での濁水現象は,年間湖水回転率や土砂生産量といった貯水池,集水域の特性から影響を受けるため,気候変動の影響を検討する際にもこれらを考慮することが求められる.そこで本研究では日本全国30のダム湖を対象として鉛直一次元モデルを用いた気候変動下における貯水池内濁水現象に関する将来予測を行った.その際,気候変動の影響としては日射量の増加と気温上昇を考慮した.その結果,貯水池からの年間総放流SS量が全国平均で将来16.8%増加することがわかった.また,流入水深が不安定になる循環期において,気候変動の影響が顕著に現れる可能性が示唆された.