2020 年 76 巻 1 号 p. 370-384
本研究では,2019年台風第19号等による豪雨で決壊した宮城県,福島県,栃木県のため池を対象としてため池の諸元や降雨状況を整理したうえで現地調査および室内土質試験を実施し,堤体の被害状況や決壊箇所の特徴,堤体材料の物理的性質を調べた.その結果,ため池の決壊は付属構造物の周辺で多く発生していること,決壊した堤体は砂分を多く含む砂質土で構築されたものが多いことを明らかにした.また,現地調査結果をもとに5箇所のため池の決壊要因を推定した.その結果,表面遮水型の2箇所のため池では遮水シートの敷設長の不足,均一型の3箇所のため池では崩壊履歴,下流面のすべり破壊による堤体横断面の縮小およびパイピングによる堤体表面の沈下が決壊の発生要因であると推定した.