2020 年 76 巻 1 号 p. 385-397
2019年10月12日に日本に上陸した台風19号(令和元年東日本台風)は,関東甲信地方や東北地方に甚大な被害をもたらした.著者らは,茨城県内の堤防決壊箇所を対象に,災害発生後の約2ヶ月間に4回,約7ヶ月後に1回,合計5回の調査を行った.その結果,茨城県内における堤防決壊は越流による裏法面もしくは表法面の侵食が主原因であったと推察された.決壊箇所周辺における噴砂や漏水等の痕跡は確認できなかった.また,堤防天端が舗装されており両法面とも護岸ブロックで覆われていても,越流に起因する侵食・洗掘により決壊する場合があることが示された.決壊箇所近傍の堤体表層から採取した土材料は,そのほとんどが細粒分含有率20%未満の非塑性・低塑性の砂質土もしくは礫質土であった.